電話占いと聞くと、「偽物の占い師に騙されそうで怖い」「高額請求の被害にあったらどうしよう」といった悪いイメージを持ってしまう人は少なくないと思います。

人気番組「ザ!世界仰天ニュース」では、偽物の電話占い師に1,000万円~1億円以上のお金を騙し取られた人たちの実体験が取り上げられ、世間に衝撃を与えました。

そのような悪質な詐欺事件が今日もどこかで起きているとしたら、ぞっとしますよね。

実際は安全に利用できる電話占いサイトの方が圧倒的に多いのですが、ごく一部の詐欺サイトや偽占い師が大々的に取り上げられるせいで、電話占いに対する悪いイメージが広まってしまっているようです。

電話占いの詐欺被害は実際にどれくらい発生していて、どのような対策を取れば安全に占いを利用できるのでしょうか?

国民生活センター・消費者生活センターに寄せられた実際の被害事例を元に、電話占い詐欺の実態・手口の特徴・対策などをまとめました。

国民生活センターに寄せられた被害事例

国民生活センターに寄せられた占いサイトの被害事例
全国の消費者トラブルの相談処理を行っている独立行政法人「国民生活センター」には、毎年90万件近くの相談が寄せられています。

特に近年はスマートフォンの普及とともにネット詐欺事件が増加しており、その中には電話占いに関する深刻な相談事例も確認されています。

国民生活センターが公表している主な相談事例には、次のようなものがあります。

鑑定時間引き延ばしにより、250万円の高額請求をされた事例

60歳代の女性がスマートフォン向けの無料占いサイトから有料占いサイトに誘導され、そこで出会った悪徳占い師に騙されてしまった事例です。

女性を騙した占い師は「あなたを絶対幸せにしたい」「もう少しで終盤が見えてきます」といった巧妙な言い回しで鑑定時間の引き延ばしを行い、約250万円という高額な鑑定料を巻き上げました。

被害に遭った女性は、占い師に相談していた時期にちょうど持病が良くなったことから、その占い師のことをすっかり信用してしまったそうです。

電話占い師が相談者の不安を煽り、高額な祈祷料を払わせた事例

不倫問題に悩んでいた被害者が、電話占い師に相談したところ「祟りがある」と不安を煽られ、45万円以上の高額な祈祷料を払ってしまった事例です。

占い師は3万円の実費を負担して、被害者の代わりに「善光寺」というお寺へ護摩祈願を申し込んでいたようです。

しかし、「占い師自身が祈祷を行っていない」「実費を大幅に超える高額な祈祷料を請求した」といった点で、不当な詐欺行為であることに違いはありません。

裁判所は占い師に対し、総額70万円の損害賠償額の支払いを命じました。

その他の占い詐欺の事例
  • 被害者が無料占いサイトから誘導された有料出会い系サイトでメール交換を行ったところ、高額な有料ポイント(約28万円)を購入させられた
  • 闘病中の被害者が占い師から不安を煽られて1回1,500円のメール鑑定を続けた結果、総額100万円近い鑑定料を請求された
  • 自称スピリチュアルカウンセラーが偽物の霊能者と共謀して相談者の不安を煽り、650万円の除霊費用を請求した

以上のように、病気などの深刻な悩みを抱え精神的にも衰弱している人の弱みにつけ込み、不安を煽って冷静な判断力を失わせるという手口が目立ちます。

数百万円、ときには1,000万円以上にも及ぶ被害額が、占い詐欺の恐ろしさを物語っています。

占いに全く興味がない人からすれば、どうしてそんな大金を騙し取られてしまうのかとびっくりしてしまうと思います。

占い詐欺の被害に遭ってしまった人たちは、一体どのような巧妙な手口によって詐欺師の言いなりになってしまったのでしょうか?

ここからは、電話占い師を騙る詐欺師が相談者からお金を巻き上げる代表的な手口について、詳しく解説していきます。

電話占い詐欺によく見られる3つの手口とは?

電話占い詐欺によく見られる3つの手口とは?
電話占い詐欺に騙されないようにするには、まずその手口を理解して、早い段階で詐欺に気づくことが大切です。

電話占いでよく見られる詐欺の手口は、次の3つです。

相談者の不安や期待を煽って会話を引き延ばす

電話占いサイトでは、鑑定時間が長くなるほど占い師に多くの鑑定料が入る仕組みになっています。

このため、電話占い師の中にはあの手この手で鑑定時間を引き延ばし、少しでも多くの鑑定料を稼ごうとする悪質な詐欺師がいます。

「このままだと不幸になる」「あなたには悪霊がついているから、除霊しないと命が危ない」といった脅しによって相談者を引き留めようするのは、占い師の常套手段です。

その他にも、「あなたの力になりたい」「幸せになれるまでもう少し」というように相談者の期待を煽って、ずるずると占いにのめり込ませる巧妙な手口も存在します。

意味深な沈黙や言葉を濁した言い方で不安にさせる占い師にも要注意です。

相談者の悩みや弱みにつけ込んでマインドコントロールを行う

電話占い詐欺で特に危険な手口が、相談者を占い師に依存させて何でも言うことを聞くように操る「マインドコントロール」です。

悪徳占い師による巧妙なマインドコントロールを受けた人は、大量のお金をつぎ込んでも危機感を感じないほどすっかり感覚が麻痺してしまい、人格・人生まで破壊されてしまうことがあります。

特に、病気や異性関係で深刻に悩んでいて心が弱っていたり、自分に自信がなく流されやすかったりする人ほど、マインドコントロールされやすい傾向があります。

マインドコントロールから身を守るには、次のような言動をする占い師とは早めに関わりを断つことが大切です。

  • 最初は優しく面倒見が良かったのに、途中から高圧的・威圧的な態度を取るようになって厳しく叱咤したり、命令に従わせようとしたりする
  • 相談者に対し「あなたの味方は私だけ」「周りの人はみんな敵」という刷り込みを行い、周囲から孤立させようとする
  • 「このままでは命が危険」「言うことを聞かないと病気が悪化する」など生死に関わる問題を平気で口にする
  • 「今の不幸はあなたの行いが悪いから」「あなたの生き方は間違っている」などと人格否定を行って相談者を弱らせ、思考を停止させる
相談者の個人情報を詐欺に悪用する

無料の占いサイトなどで個人情報やプライバシー情報を安易に入力すると、その情報を営利目的に利用されるばかりでなく、悪質な詐欺に利用されるおそれもあるので注意してください。

個人情報を悪用した詐欺の手口には、次のような例があります。

  • 無料占いサイトで入力させたメールアドレスに大量のメルマガを送りつけ、有料の占いサイトや出会い系サイトに誘導する
  • 同業者間で相談者のプライバシー情報を共有し、その情報を元に占いを的中させることで相談者を信じ込ませる(ホットリーディング)
  • 電話やメール等で聞き出した住所に開運グッズや除霊グッズを勝手に送りつけ、高額な代金を請求する

電話占い詐欺に遭ったら国民生活センターへ早めに相談を!

電話占いサイトで万が一高額請求や個人情報漏洩などの被害に遭ってしまったら、消費者トラブルの公的な相談窓口である「国民生活センター」に相談しましょう。

国民生活センターの消費者ホットライン「188(いやや!)」に電話をかけると、最寄りの「消費生活センター(全国に約800ヶ所設置)」または市区町村の「消費生活相談窓口」につながります。

消費者ホットラインの相談受付時間は?

消費者ホットラインは年末年始(12月29日~1月3日)を除き、毎日相談を受け付けています。

相談受付時間は相談窓口によって異なる場合がありますが、目安としては次の通りです。

平日 9時~17時
土日・祝日 10時~16時

どんなサポートが受けられる?

国民生活センター・消費生活センターでは、詐欺や悪徳商法などの消費者問題に詳しい専門相談員がトラブル解決のサポートを行ってくれます。

詐欺被害者に対して実施される主なサポート内容は、次の通りです。

  • 高額請求の取り下げや返金に向けて行動を起こすための、専門相談員によるアドバイス
  • 弁護士など専門家と連携してトラブルの解決に努める「高度専門相談」
  • 国民生活センター等が相談者の代わりに相手業者との交渉を行う「ADR(裁判外紛争解決手続き)」

国民生活センターに相談したことで、悪徳業者からの返金・損害賠償が行われた事例は多数ありますので、泣き寝入りする前に諦めず相談してみましょう。

悪徳業者との交渉を有利に進めるポイント

電話占いを含む占いサービスは、基本的に相談者が自己の判断と責任の下で利用するものであって、占いの正確性や確実性に関する保証は一切ありません。

電話占いサイトの会員規約では、「鑑定によって生じた不利益や損害については一切の責任を負わない(明白な不法行為によって相談者に損害を与えた場合を除く)」という免責事項を設けています。

相談者は電話占いの利用を開始した時点で、この規約に完全同意したとみなされます。

このため、悪徳業者は免責事項を盾にしてなかなか交渉に応じてくれませんし、多くの場合、電話占いの鑑定結果や料金に不満があっても自己責任ということになってしまいます。

悪徳業者との交渉を有利に進めるには、誰が見ても明白な詐欺の証拠を少しでも多く集めておくことが重要です。

そのためには、万が一のトラブルに備えて占い師との電話のやり取りを音声で記録に残し、契約に関するメールや書面、決済記録等も捨てずに全て取っておくことをおすすめします。

その際、スクリーンショットで証拠を残すと画像を加工して、改竄したのではないかと疑われるおそれがあるので、スマホのカメラ等で画面そのものを撮影するようにしましょう。

国民生活センターへの相談で解決しないとき

国民生活センターへの相談でも解決しないときは?
国民生活センターの相談員によるアドバイスだけではトラブルが解消されない場合、次のような解決策があります。

占い詐欺に強い弁護士に相談する

「占い師がなかなか返金に応じてくれない」「自分で業者とうまく交渉できるか自信がない」と悩んでいるなら、弁護士に相談してみましょう。

相談する弁護士は、占い詐欺や出会い系詐欺といったネットトラブルの解決実績が多数ある人だと安心です。

まずは電話やメールで無料相談を行い、「自分が受けた被害は詐欺に該当するのか」「どれくらいのお金を取り戻せるのか」といったことを質問してみてください。

カード決済代行会社に調査を依頼する

悪徳業者との直接交渉が困難な場合は、その業者と契約しているカード決済代行会社に連絡を入れて返金の働きかけの協力を仰ぎましょう。

詐欺と認められる証拠を揃えて決済代行会社に調査を依頼し、その結果として業者が行為を認めれば、当該決済の取り消しと返金を行ってもらえる可能性があります。

ADR(裁判外紛争解決手続き)を利用する

ADR(裁判外紛争解決手続き)とは、当事者同士の間にあっせん人・調停人・仲裁人を立てることで、訴訟を起こすことなく円滑な交渉・和解を行うための手続きです。

ADRは訴訟を起こすよりも費用が安くなる上に、手続きが簡単で柔軟に交渉が進められるというメリットがあります。

手続きを開始するには、ADR指定機関に申立てを行い、相手方がADRに合意する必要があります。

国民生活センターもADR指定機関のひとつであり、相談内容の深刻度や重要度が高いと判断されればADRを利用できる場合があります。

少額訴訟または民事訴訟を起こす

上述の方法でも業者が返金交渉に応じなかったり、交渉が決裂したりした場合は、最終手段として訴訟を起こすという方法があります。

被告(訴訟の相手方となる人)への請求額や訴訟費用、審理回数(期間)によって、次の2種類の訴訟から選ぶことができます。

訴訟の種類 特徴 訴訟費用 審理期間
少額訴訟 ・審理が1回で終了する簡易的な訴訟
・被害額が140万円以下、
被告への請求金額が60万円以下の場合に利用可能
1万円前後 1日
民事訴訟 ・数回に渡って審理を行う通常の訴訟
・被告への請求金額の制限なし
20万円前後 約8ヶ月~12ヶ月

少額訴訟は弁護士をつけずに1人でも手続きを進めることが可能で、訴訟費用を少額に抑えられるのがメリットです。

ただし、訴訟の相手方が少額訴訟に反対した場合は、通常の訴訟である民事訴訟に移行します。

民事訴訟は費用と労力の負担が大きく、取り戻したい金額が少額だと割りに合わない可能性があるので注意してください。

民事訴訟の費用を一括で払えない場合は、「民事法律扶助制度(弁護士費用の分割払いができる制度)」を利用しましょう。

悪質な電話占い詐欺に騙されないための心構え

悪質な電話占い詐欺に騙されないようにするための心構え
もしあなたが悪質な電話占い詐欺に遭ってしまったとしても、上述のように国民生活センターや弁護士等が力になってくれますが、被害は未然に防ぐに越したことはありません。

ここからは、悪徳電話占い師に騙されないための3つの心構えを紹介します。

占い師に過度な期待をかけすぎない

悪徳占い師は「私が祈祷しないと病気は治らない」「私がついていれば絶対に大丈夫」というように、あたかも相談者の人生・運命を操れるかのような言い方をすることがあります。

しかし、占い師は誰かの人生を左右するほどの絶大なパワーや超能力のようなものを持っているわけではありません。

占い師にできるのは、あくまでも将来起こりうる出来事や運勢の流れを読み取り、それを元にアドバイスを行って相談者の背中を後押しすることだけです。

占い師に相談したことでたまたま病気が治ったり、恋人ができたりなど良いことがあっても、それを「全て占い師のおかげ」と思い込むのは禁物です。

なぜなら、「占い師に相談したこと」と「良い出来事があった(望みが叶った)」という事実の間に、明白な因果関係を認めることは不可能だからです。

偶然に過ぎないことを根拠に、「この占い師は絶対信用できる」という思い込みに取り憑かれないよう注意してください。

無料占いサイトで個人情報を教えない

無料占いサイトで入力した個人情報は、実は裏社会のマーケットで高額売買されています。

悪徳業者は占いサイトを利用する人々に対して「情報弱者で押し売りに弱い」という認識を持っているので、占いサイトの顧客リストを喉から手が出るほど欲しがっているのです。

性別や年齢、生年月日といった無難な個人情報ならともかく、本名や住所、電話番号、メールアドレス、マイナンバーといった重要な個人情報が悪徳業者に渡ってしまっては大変です。

無料占いサイトの利用をきっかけに大量の迷惑メールやDMが届くようになったり、セールスの電話がかかってくるようになったりしても、それらは全て詐欺だと思って無視しましょう。

家族や友人などの意見にも耳を傾ける

悪徳占い師に洗脳されている人は、「自分の判断は絶対に正しい」「自分が騙されるはずがない」といった思い込みが強く、家族や友人の忠告になかなか耳を貸そうとしません。

その結果周囲からだんだんと孤立するようになり、悪徳占い師のコントロールから抜け出せなくなってしまいます。

そうならないように、占い師以外で身近に相談できる人とのつながりを保ち、第三者の意見にも耳を傾けることが大切です。

近くに相談できる人がいない場合は、自治体の「こころの相談センター」のような電話相談窓口や心理カウンセラーといった客観的な目線でアドバイスしてくれる人の助けを借りましょう。